幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない！

「私には分からない……」

「向き合ってみればいいんじゃないかな？」

「……向き合う？」



顔を上げて春馬くんを見ると、柔らかい笑顔を浮かべていた。



「相手と対等な立ち位置で、相手をよく見ることだよ」

「……」

「簡単に言えば、どこまで相手のことを受け止めて愛せるかだと思う」



春馬くんの言葉が心の中に入ってくる。

固まっていた心をほぐしてくれているような気がした。


……私は対等な立ち位置にいただろうか。

唯斗くんや春馬くんをよく見ていただろうか。

受け止めていただろうか。

愛していただろうか。


……すべて、出来ていなかったかもしれない。

心のどこかで、私たちは住む世界が違うと思っていた。