幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
2人は芸能人で私は一般市民。

対等になんてなれるはずがない。

私は芸能界のことは詳しくないから、彼らの悩みや心の中に踏み込んではいけないって、思っていた。

本気で知ろうとしないから、受け止めることもできない。

唯斗くんや春馬くんのことは好きだけど、愛を持って接していたか……、と言われると分からない。


私は。

”幼なじみポジション”を守ることに必死で。

”幼なじみポジション”から外れたくなくて。

それは、全て自分を守るためだった。

平穏な学校生活を送るためだと思って、無意識に2人と距離を置いていたのかもしれない。



「……」



涙が頬を伝う。

自分の愚かさに悔しくなった。

私は2人のことが大切だと思っていたけれど、本当の意味で大切にできていなかったんだ……。
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