幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「南條はこんなに真面目だってのに、部長様は遅刻かよ」

「芸能人だからって遅刻しても許されると思っているんじゃね?」

「上の立場だから俺達には文句は言わせねぇ、ってか?」



ひ、ひどい……。

思わず絶句してしまった。

部活の朝練に来た途端、唯斗くんの悪口?

唯斗くんが今この場にいないからって、好き放題言って!

しかも、唯斗くんは遅刻してないし!

朝練開始まで、まだ時間はあるのに!


怒りが湧いてくる。

今すぐ飛び出して、悪口を否定したい。

だけどそれでは、ここに来た意味もないし、南條くんのはからいも無駄にしてしまう。

私は怒りの感情をぐっと抑えて体育館の様子を見ていた。
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