幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「南條もそう思うよなぁ?」



急に話を振る先輩方に苦笑いをする南條くん。

あはは、とその場をやり過ごしているが、その顔は引きつっているようだった。


他のバスケ部の部員たちも体育館に入ってくる様子もうかがえた。

その部員たちを巻き込んでは唯斗くんの悪口を、面白そうに話す先輩方。


ああ。

イライラする!

唯斗くんはそんな人じゃないのに!

唯斗くんのことをなにも知らないくせに!


そう思ったけど、唯斗くんのことを知らないのは私も一緒だと思った。

唯斗くんのことは好きだけど、唯斗くんの知らない部分を知るために、今日ここに来たのも事実だったから。
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