幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「毎日練習頑張っているな。……朝練の準備も誰よりも早くやってくれて感謝している」

「ぶ、部長……」



突然の唯斗くんからの感謝の言葉に目を丸くしている南條くん。

そりゃあ、びっくりするだろう。

私もびっくりしたもん。

唯斗くんも人を褒めたりすることが出来るのか。


少し失礼なことを考えながらも、ほっとする私。



「あ、ありがとうございます!」

「ただ、無理はするな。頑張ることはいいことだが、体は壊すなよ」



そう言い残して唯斗くんは肩にかけていた鞄を体育館の隅に置きに行った。

南條くんはその後姿を追っていた。
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