幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
そんな感じで始まった朝練。


……迫力が凄かった。

練習なのに『試合しているの⁉』ってレベルで迫力があった。

さすが全国大会に出場するチームだ。

だけど、少し気になるところがあった。


迫力はすごいけれど、なんていうか……。

部員たちのまとまりがないっていうか。

団結出来ていない感じがする。


唯斗くんが指示を出しても、不満そうな顔をする部員たち。

試合形式の練習を見ても、連携プレーが出来ていない。

シュートはバンバン決めていくけれど、パスのミスが多い。

ドリブルは早いけれど、フェイントかけられたら対応しきれていない。

バスケの経験なんて体育祭くらいの私でも、チームワークがボロボロってことは伝わった。

そのせいか、部員たちのなかでも焦っていたり苛立っていたりする人がチラホラ。

『焦るな!』『冷静に!』と、唯斗くんが指示を出しても、それにすら苛立っている様子だった。


……大丈夫かな。

これから特別開催される冬の全国大会があるっていうのに。

こんなんで、全国大会に出場できるのかな。

不安を残したまま、朝練は終わった。
< 258 / 345 >

この作品をシェア

pagetop