幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「……美羽」

「ん……? って、え⁉」



唯斗くんに名前を呼ばれたと思った、そのとき。

私は唯斗くんに引き寄せられ、その腕の中にすっぽりとおさまっていた。


なにが起こった⁉

気付けば私は唯斗くんに抱きしめられている。



「ちょ、っと……」



離してもらおうと、唯斗くんの腕の中でもがく私。

だけど唯斗くんの力には全くかなわなくて。

抵抗するだけ無駄だと思ってしまう。

だけど、こんな状況恥ずかしくて耐えられないよ!



「唯斗くんって、ば……」



顔を上げた瞬間。

唇に柔らかいものが触れて。

優しい温もりを感じた。

フリーズする思考回路。


い、ま……。

キス、されている……?

私、唯斗くんとキスしている……⁉



「ゆい、と……っ、く、ん」



唯斗くんの胸を押し返して離れようとする私。

そんな私の後頭部を押さえて放そうとしない唯斗くん。

ん―っと、もがくが、唯斗くんの力は強くて。
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