幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「んっ、」



思わず声を出してしまった私は慌てて唇を噛む。


変な声、出しちゃったよ……。

唯斗くんにも絶対、聞かれているよね?


そう思っていると唯斗くんと視線がぶつかる。



「なに? 感じちゃってるの?」

「――っ!」



悪魔!

意地悪!

恥ずかしさに耐えられない私は思わず叫んでいた。



「感じてなんかっ!」

「ふーん?」



もう、やだっ。

潤む私の目を真っ直ぐに見つめる唯斗くん。

なぜか心臓がドキドキと音が鳴っている。


なんで。

なんで、私唯斗くんなんかにドキドキしているの。

おかしいよ……。


私はぎゅっと、唯斗くんのジャージの胸元を握る。

多分、私の顔は真っ赤だ。

唯斗くんと目を合わせることが出来なくて視線を落とす。

そんな私を唯斗くんは優しく抱きしめる。

唯斗くんの速い鼓動が聞こえた。
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