幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「ゆ、ゆいとくん……」



唯斗くんの胸に耳を当てながら、抱きしめられている私。

そんな私の頭を唯斗くんは優しく撫でてくれる。

触れているところから唯斗くんの体温が伝わってくる。



「やべー。可愛すぎて限界」

「っ、!」



可愛いとか。

反則だよ……。


心臓の音が鳴りやまない。

これは私の胸の音?

それとも唯斗くんの……?


分からないけれど、ドキドキして。

それが心地良いと思ってしまったんだ。



「美羽……」

「ゆ、いと、」



唯斗くん。

そう名前を口にしようとした、そのとき。



「美羽ちゃんっ!」

「美羽⁉」



体育館に響き渡る大きな声で私の名前が呼ばれた。

突然のことをに驚いた私は、ビクッと声のする方を振り返る。

体育館入り口を見れば。

そこに立っていたのは……。
< 273 / 345 >

この作品をシェア

pagetop