幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「ちょっと……」

「唯斗に汚されちゃったから浄化しないと!」



……だから、浄化ってなんですか。

抱きついたら浄化になるんですか。


呆れる私。

唯斗くんも唯斗くんで騒いでいるし。

春馬くんのおかげで、だんだんと平常心に戻っていく私。


そこで気が付いた。

琴音ちゃんがニヤニヤしながら私たちを見ていることに……。



「こ、こここ、琴音ちゃん!」



琴音ちゃんは腕を組みながら、座り込んでいる私たちを見下ろしている。

……楽しそうな表情を浮かべて。

琴音ちゃんに変なところ見られた!



「いやっ、これは! 特に意味はないの!」



春馬くんと唯斗くんに抱きしめられている私。

必死の弁解。

だけど、サンドウィッチ状態では説得力もなく。

琴音ちゃんは『ふーん?』とニヤニヤ度を増していた。



「”ただの幼なじみ”が、ねぇ……」



琴音ちゃんの言葉に反応したのは、唯斗くんと春馬くんだった。
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