幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「はっ⁉ ”ただの幼なじみ”じゃねぇだろ⁉」

「キスまでした仲なのに、ね?」

「それはっ!」



もうっ!

春馬くんが余計なことを言うから、琴音ちゃんが知らなくてもいいことを知ってしまったじゃないか!


ほら。

琴音ちゃんが口角を上げて。



「ふーん? 美羽は春馬先輩と唯斗先輩、2人とキスしちゃったわけ?」

「ちがっ、」



……違くはないけれど。

っていうか!

私が唯斗くんにキスされていたの、見ていたの⁉

じゃあ春馬くんも見ていたってこと……。



「美羽ちゃん⁉ 唯斗とキスしたって本当⁉」

「えっ?」



キスしたの⁉

していないよね⁉

と、私の肩を揺すりはじめる春馬くん。


キス……、していたところを、もしかして見ていない……?

琴音ちゃんを見ると、口元を押さえながら笑いを噛み殺していた。
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