幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽が唯斗先輩とキスしていたところなんて見ていないよ?」

「琴音ちゃん……っ」

「でもまさか、美羽が2人とキスしちゃっているなんてねぇ?」



琴音ちゃんも意地悪すぎる!

私は抱きついたままの2人を全力で引きはがして、琴音ちゃんを連れて体育館を出た。


唯斗くんと春馬くんはもう知らないっ!

か、勝手にキス、してくるし……。



「美羽、顔赤いよ?」

「そ、そんなことないから!」

「あ。今の美羽、可愛い」

「そんなことないもん!」



体育館を出た私と琴音ちゃんは、既に授業が始まっている廊下を静かに歩いた。

……授業開始時間は完全に過ぎていたのか。

授業サボってしまったよ……。



「美羽。今から写真、撮りに行かない?」

「え? もしかして、第一次審査の?」

「うん。今更、授業受けても仕方ないし」



堂々と授業をサボろうとする琴音ちゃん。

でも。

今は琴音ちゃんに写真を撮ってほしいかも。


晴れ晴れとした気持ち。

色々とあったけれど、今なら自然と笑えるから。
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