幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
そう言って私から離れた琴音ちゃんの目には、やっぱり涙が浮かんでいた。

応援してくれる親友がいる……。

そう思うだけで心が熱くなった。



「うん! 頑張るよ!」



私は再び、書類に目を通す。

『合格』と書かれた書類。

……私、本当に合格したんだ。

徐々に実感がわいてくる。



「それで? 他にはなんて書いてあるの?」

「あ、えっと……」



琴音ちゃんに言われ、慌てて書類をめくる。


そうだよ。

合格通知も大事だけど、合格したってことは第二次審査があるんだ。

その内容も記載されているはず。

確認して早く準備を進めないと。

書類に目を通す私たち。



「第二次審査……。やっぱり、歌とダンスか」

「そうだね……。家でも練習はしているけれど、家だけでは限界があるんだよね」



いくら広い家だとしても、家具が置いてあるからスペースを有効活用できていない。

それに、唯斗くんたちがいつ帰ってくるか分からないから、充分な練習時間の確保が出来ない。

現状を琴音ちゃんに伝えると。
< 281 / 345 >

この作品をシェア

pagetop