幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「……好きな人でもいるのか?」



唐突な唯斗くんの言葉。

す、好きな人?

突然なにを言い出すかと思えば。

私の好きな人?

そんなのいるわけ……。



「好きな人がいるから、きれいになろうとしているのか?」

「え、ちが……」



違う。

ハッキリ言い返せなかった。

私がトレーニングとか生活を改めているのは、自分のため。

だけど、その反面、大切な2人を一番近くで応援するためでもある。


唯斗くんと春馬くんのことは好き。

大切な人。

だから、もっと自分磨きをしないと、って思う。

じゃないと、オーディションに受かるものも受からなくなる。


つまり……。



「大切な人がいるから。その人のために、自分を変えるの」



間違っていない言葉。

私の本心。

だけど、唯斗くんにはその言葉が気に入ら鳴ったようで。
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