幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「ってことがあってさぁ……」



翌日の放課後。

琴音ちゃんとダンス練習の休憩中に、昨日の出来事を話す。

もちろんスポーツドリンクで水分補給をしながら。


……唯斗くんは今朝も口をきいてくれなかった。

春馬くんはよそよそしいし。

意味が分からない。


そう琴音ちゃんに伝えると、琴音ちゃんは大爆笑していた。

お腹を抱えるまで笑うこと?

私は悩んでいるのにっ。



「美羽ってば、鈍感」

「そんなことないから」

「そんなことあるから」



テンポの良い会話が心地よい。

って、そうじゃなくて!

彼らが私を避けている理由だよ!



「……嫉妬、しているんじゃないの? 美羽が言っていた“大切な人”に」

「え? 大切な人って唯斗くんたちのことなのに?」

「私もそうだったから……」



琴音ちゃんは私の言葉に重ねるように呟いた。

そして、少し気まずそうな表情を浮かべて私を見る。
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