幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「どこ行くの?」



強調するように言う春馬くん。

だけど、ごめん!

行き先を言うことは出来ないんだよ!

そうしたら、全ての計画が台無しになってしまう。


だから私は慌てて話を変える。



「ふ、ふたりは! 今日仕事は?」

「休み」

「なんか、新人アイドルのオーディションがあるみたいだからね」

「へ、へぇー」



そうか。

2人はオーディションの関係で仕事が休みなのか!

……そのオーディションに参加するなんて口が裂けても言えないけど。



「せっかく仕事も学校もないから、美羽ちゃんとデートしたかったな」

「ふぇっ?」

「どうせ”大切な人”とデートするんだろ」



春馬くんの言葉に、冷たい言葉で返す唯斗くん。


デートなんてしないのに。

アイドル目指してオーディション受けてくるのに。

私これから頑張ってこようとしているのに。

2人には、オーディション受けるとは言えないけど、笑顔で見送ってほしいよ。
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