幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
最寄り駅で琴音ちゃんと落ちあい、会場へ向かう。

会場内に琴音ちゃんは入れない。



「近くのファミレスで待っているから。終わったら連絡してね」



そう言って琴音ちゃんは会場に入る私に手を振ってくれた。

このドアを開けば、きっと可愛い人たちがいっぱいいる。

それも歌もダンスも、ハイレベルな人たちが……。


私はドアの前で振り返る。

琴音ちゃんはまだ、その場で手を振ってくれていた。

振り返る私と目が合った琴音ちゃんは満面の笑みを見せてくれた。



『美羽なら大丈夫』



そう口パクで伝えてくれ、ガッツポーズをしてくれた。

私も頷き、ガッツポーズをする。


大丈夫。

力強い味方はたくさんいるんだから。

そうして私は会場入りしたのだった。
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