幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽さんは他の方に比べて、衣装もダンスもシンプルだ。それはなぜかね?」

「はいっ。……今着ている衣装は、大切な親友にプレゼントして頂いたものです」


言葉にしながら琴音ちゃんの顔を思い出す。

ラッピングされたこの衣装を持ってきてくれた、あのときの琴音ちゃんの顔。

『美羽らしい衣装だよ』って自慢気な笑みを浮かべていた。

応援してくれている気持ちが伝わってきた。

頑張れって、応援してくれている琴音ちゃんの顔が輝いていた。


そんなエピソードを審査員の方に伝える。



「ダンスも同じです。私らしさが一番伝えられるダンスを精一杯踊りました」

「……ほう」

「たくさんの想いが詰まった衣装とダンス、歌を大切に。……このステージに立ちました!」

「そうか。分かったよ」
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