幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「では。詳細は後日連絡する。……今日はゆっくり休みなさい」

「は、はい! ありがとうございます!」



そう言って春原さんは歩いてどこかへと言ってしまった。

ぽかんとする私の肩が叩かれる。

振り返れば、審査員の方々がニコニコして立っていた。



「おめでとう。……実はね、君のマネージャーになりたいって、彼が申し出たんだよ」

「春原さんが?」

「そうだよ。春原君は厳しいけれど、頑張りなさい」

「はいっ! 頑張ります!」



審査員方々はニコニコして歩いていく。


……まだ、実感がない。

私がアイドルになった、だなんて……。


頬をつねってみる。
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