幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「なに? その表情からして不合格ではないんでしょ?」

「うん」

「じゃあ、なによ」



照れていないで全て話そう、と心に決める。

私が結果を伝えようとした瞬間。



「お待たせいたしましたっ! ココアでございます」

「あ、はい。ありがとうございます……」



タイミング!

口を開きかけた瞬間に、ココアが運ばれてきたよ⁉

いや、そりゃ運ばれてくるけどさ!

注文したのだから運んでもらわないと困るけど!



「……で?」



ひとり、心の中で突っ込んでいると。

いよいよ、琴音ちゃんが『待ちきれないから』という表情をしていた。

私はニヤついていた表情を改め、結果の報告をする。



「審査は合格した」

「美羽なら合格だと思っていたけど……。改めておめでとう」

「……ありがとう」

「残すは最終審査だね。なにか情報とかもらっていないの?」

「それが……」



最終審査に向けて意気込み始める琴音ちゃん。

そのやる気とエネルギーが伝わってくる。

だけど。
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