幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽ちゃん!」

「美羽っ」



玄関の扉を開けた瞬間。

春馬くんと唯斗くんがリビングから飛び出してきた。

私に抱きついて『おかえり』と言ってくれる。

いつもだったら『離れて!』と、突き返すところだったけど。


今日は。



「ただいまっ」



私に抱き着いている2人の背中に手をまわした。

温かいな……。

心が温かい。


2人を抱きしめ返していると。



「美羽ちゃん、どうしたのっ⁉」



春馬くんがガバッと私から離れた。

ついでに言うと、唯斗くんも。



「……どうしたの、ってなにが?」



首をかしげる私。

春馬くんは唯斗くんと顔を見合わせてから私に言った。
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