幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
やりたいかどうかではなく、やれるかどうか。

ステージに立つ、ということは結果を残さないとダメなんだ。


……それでも。

私は自分の意志を貫き通したい。



「コンサートも盛り上げてみせます。ハードスケジュールでもかまいません」

「……分かりました。スケジュールを立て直します」



春原さんは手帳から、はさんでいた紙を1枚取り出した。

それは手帳のカレンダー部分をコピーしたものだった。

空欄部分に練習メニューのスケジュールや、コンサートスタッフ、関係者との打ち合わせなどを書き込んでいった。


書き始めてから5分ほど経過した。

手帳のコピーを渡される。

そこにはびっしりと練習メニューが書き込まれている。

空欄部分なんてない。

……コンサートまであと1か月もないのだから。
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