幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「も、もちろん! コンサートに行くよ!」

「美羽ちゃんが来てくれるなら頑張れるよ」

「いや、私がいなくても頑張ってね」



その言葉は春馬くんの耳には入らず。

軽い足取りで自室へ向かう階段を上っていった。

唯斗くんもそのあとに続くように階段を上っていく。


ひとり、残されるリビング。

私は手に持っているコンサートチケットに目を落とす。


これは……。

このチケットはどうしたらいいんだろう。


そう思っていると、なにやらメモ用紙のようなものがひらりと落ちた。


ん……?

封筒から落ちた?

チケット以外にもなにか入っていたのかな?


そう思いながら、メモ用紙を拾い上げる。

そこには春原さんの字で。
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