幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
翌日。

昼休みの教室。



「えーーっ⁉」



琴音ちゃんにコンサートチケットを渡すと、教室中に響き渡るほどの悲鳴を上げた。

思わず耳をふさぐ私。

喜んでもらえたのならよかったけど、クラスメイトの視線が突き刺さっているよ。

琴音ちゃんはそれにすら気が付いていない。

反応が良いことは嬉しいけど。



「美羽っ、ありがとう!」

「喜んでもらえて良かったよ」



琴音ちゃんはチケットを大切そうに持ちながら、首を横に振った。



「喜ぶどころじゃないよ! 幸せの絶頂だよ!」

「おおげさな……」

「おおげさじゃないよ! だって、ベルプリュームのチケットは既に完売しているし、どこ探しても入手できないと思って諦めかけていたから……っ」



琴音ちゃんは涙を落とした。

それには驚く私。

琴音ちゃんがこんなにも私を支えてくれているんだ、って思えた。

応援してくれていることが伝わる。

大切にされていることも伝わる。



「ありがとう……」

「絶対応援しに行くからね!」

「うんっ!」



琴音ちゃんが親友で本当に良かったと思う。

大好きな琴音ちゃんのためにも、頑張ろう。
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