幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「有村さん」



小さな声で春原さんが私の名前を呼ぶ。

うつむいていた私は顔を上げ、春原さんの横顔を見つめる。



「彼らは実力があります。ファンが日々増え続けるほど、彼らは人気です」

「……」

「でも、彼らだって最初は素人でした」



……っ。

春原さんが私へ顔を向ける。

その顔は今まで見たことないほど、柔らかく微笑んでいて。

私の緊張を解くには充分だった。



「有村さんは有村さんらしく。今、あなたの輝く場所はあのステージの上ですよ」

「……はいっ!」



私の輝く場所。

輝きたいと思える場所。

それは……。
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