幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
春馬くんの声がマイクを通して会場に響き渡る。

ファンたちの歓声が上がる。

そして、唯斗くんにもスポットライトが当たる。



『って言っても、俺たちも初対面だ。……“妹”と、言うわりにな』



唯斗くんのトークに会場が笑いに包まれる。



『まあまあ。……じゃあ、会場をもっと盛り上げてもらおうかな』

『そうだな。ってことで、ミュージックスタート!』



春馬くんと唯斗くんの振りが終わった瞬間、2人に当たっていたスポットライトが消える。

そして曲が流れ始める。


……私のデビュー曲だ。

私はスタートのポーズを決める。

それを合図に、私にスポットライトが当たる。


眩しい。

視界が広がると、会場にいるファンの数に圧倒される。


でも、大丈夫。

私、輝ける!



『Are you ready?』



マイクが私の声を拾う。

ステップを踏みダンスを踊る。

メロディに合わせて歌い始める。
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