幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
ステージを下り、関係者スタッフさんたちに頭を下げながら控え室に戻る私たち。

私の控え室は2人と違うから『またあとで』と言おうとしたけれど、無理矢理彼らの控え室へと連れてこられた。



「まさか新人アイドルの子が美羽ちゃんだなんて思わなかったなー」

「なんで黙っていたんだよ?」

「それは……。いろいろありまして、ね?」



苦笑いで返す私に詰め寄る2人。

その迫力に耐えられず、私は一歩、二歩と後ろへ下がる。

気が付けば背中は壁とくっついていた。


私の前に立つ唯斗くんと春馬くん。

それぞれの手が伸び、私は2人に壁ドンというものをされた。



「じゃあ、美羽ちゃんが大切な人のために頑張る、って言っていたのは、オーディションのこと?」

「大切な人って俺たちのことか?」



質問攻めを食らう私。

答えなきゃいけないんだろうけど、本人たちに向かって『私の大切な人は春馬くんと唯斗くんです』なんて言えない!


口ごもる私に更なる追い打ちをかける彼ら。
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