幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
静かな音を立てて開くエレベーターのドア。

私たちはエレベーターに乗り込む。


赤いカーペット。

50階建てのマンションだから、ボタンの数も多い。

唯斗くんのマンションには数えるくらいしか来たことないけど、いつ見ても圧倒される。

すごいなぁ。


なんて、エレベーターの中で圧倒されるのは、たったの十数秒で。

あっという間に最上階の50階に着いた。

エレベーターのドアが開くと、きれいに掃除されている廊下が続く。

長い廊下なのに、扉は1つだけ。

つまり、この50階のフロアは全部、唯斗くんが所有しているということ。


お金持ち。

それくらい頑張っているんだなぁ、とため息しか出てこない。


唯斗くんはカードタイプの鍵で、部屋のドアを開ける。

ハイテクだ。

私のアパートは鍵を差し込んで、ガチャっと回すタイプ。

それについて不満や文句はないけど、やっぱり比べてしまうのは仕方のないことだと思う。

比べたところで、落ち込むとかはないけどね。
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