幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「お邪魔します」

「……お邪魔します」

「おう」



唯斗くんに通されて、春馬くんと私は部屋の中に入る。


相変わらずシンプルな部屋。

モノトーンでそろえられている家具。

だけど、生活感が全くない。

“綺麗好き”とは違う、部屋の綺麗さ。

そんな部屋を見ただけで、唯斗くんの仕事量がなんとなく分かってしまう。


春馬くんの部屋も同じ。

春馬くんの部屋にも遊びに行ったことはある。

だからこそ断言できる。

おしゃれにまとまっているけれど、生活感はない。

家が隣同士だった小さい頃は、おもちゃで部屋があふれかえっていたのになぁ。


高校生になって再会して、部屋に遊びに行くことがときどきあるけど、あのころとは違う。

忙しい人の部屋って感じ。

……小さい頃も、おもちゃで遊ぶことに忙しかったとは思うけど。


それとこれとは別。

部屋の奥に入って行くと、ソファの片隅で大量の書類をチェックしている春原さんが座っていた。

相変わらず貫禄があるなぁ。
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