幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
なんか春原さんって、“マネージャー”っていう感じがしない。

事務所の社長とか、もっと偉い立場の人、って感じがする。

それはソファの座り方とか、眼力の鋭さとか、まとっている雰囲気、仕草から感じる。

なんか、怖いなぁ。


それにテーブルに広げられているたくさんの書類。

たった数時間であろう、打ち合わせのためにこんなに書類が必要?

しかも書類って大事なものなんじゃないの?

一般人の私が目に触れるようなことあってもいいの?


私は春原さんの考えていることが全く分からずに、首をかしげるばかりだった。



「では、さっそく本題なんですが、」



春原さんが肘をソファに置き、組んだ手に顎を乗せながら話し始める。

私は春原さんの圧に驚いているけれど、唯斗くんと春馬くんは特に驚いた様子もない。

もう慣れています、って感じがする。



「唯斗さんと春馬さんの、日常生活のデータです」



そう言って渡されたのは、2枚のプリント。

プリントには、それぞれ“水樹 唯斗”と“水樹 春馬”と、書かれていた。
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