幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽も大変ね」

「これでもマシだと思うよ……。芸能人の双子の幼なじみを持つ者としてはね」

「それはそうね」



廊下から聞こえる黄色い歓声は、どんどん大きくなっている。

そして、私のクラスの前で止まったかと思いきや。

今度はざわめきに変わる。



「美羽ちゃん、おはよう」

「……おはよ。美羽」



私のクラスに堂々と入ってきた水樹兄弟。

なんで私の席の目の前に立っているの。

いや、挨拶をするために来てくれたことは分かるんだけど。



「おはよー……」

「元気ねぇな」



そう言って、顔を覗き込んでくる唯斗くん。


誰のせいだと思っているんですか!

唯斗くんは私の顔を覗き込んでいるし、春馬くんは頭にぽんぽん、と手を置いてくるし!
< 8 / 345 >

この作品をシェア

pagetop