幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
先ほど帰って行った春原さんに、銀行口座のカードを渡されたし。


『これで、食費、日用品を買ってください』


なんて、言われた。

通帳を開いてみたら、これまた、とんでもない金額が。

何桁の数字か、数えないように通帳を閉じたけどね。


高校生にあの大金はないなぁ……。

なんて、思っていると。


コンコンッ!

部屋のドアがノックされる。



「はーい」



私は立ち上がってドアを開ける。

ドアを開けたらそこには春馬くんが立っていた。



「どうしたの?」

「んー。美羽ちゃんの顔が見たいなって」

「さっきまで顔合わせていたじゃん」



春馬くんの言葉にクスッと笑う私。

あの春馬くんが、なんだか可愛く見える。

いつも腹黒なドSなのに。

今はなんだか年相応って感じがする。
< 86 / 345 >

この作品をシェア

pagetop