隣の住人。
 



家に帰った瞬間、何だか…不安が解けて涙が溢れて止まらなかった。



止まれ、

そう思っている時こそ止まらなかった…






男に腕を持たれる感覚、それに連れていかれる感覚が消えず恐怖でしかなかった、

怖くて、お風呂にさえ入れず…ただただ、布団の上に座り尽くしていた。




そんな時に、

頭に浮かんできたのは紛れもなく、あいつ。






『隣にいてほしい』



そう思ってしまったのが悔しいけど…1人でいるのが怖くて、迷っている暇はなかった。



とりあえず、来て欲しい一心だった。

きっと、あいつならわかってくれる。
 



私は、交換したてのLINEに『来てほしい』と一言だけ送った。





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