隣の住人。
履いていたサンダルを勝手に脱いで、部屋に入ってきた。
「女子の部屋だとは思えない」
と、
部屋を見てすぐに文句をつけ始めた。
『引っ越してきたままだもん』
「隣、来る?」
『友達来た?』
「いるけど」
『じゃ、行かない〜』
「もしかして、俺と2人がいいの?」
そう言ったつもりではなかったけど…確かに、そう聞こえてもおかしくはない。
何も考えずに言い過ぎて反省した。
日本語って難しいね。
『別に、2人でいたいわけじゃない』
「じゃ帰るよ」
玄関の方向に行こうとしたこのお方の手を掴んで『何で帰るの?』と聞くと…何も答えず、抱きしめて来た。
今日は、色々積極的だね。
この方の腕の中は思った以上に安心した。
元彼に振られた帰り道にこいつに抱きしめられた時とは大違いだった。