隣の住人。
手足を縛られて、男に体を近づけられた。
「やっちまえば?」
と、
男同士の会話が聞こえてくる…
怖い。誰か、助けて…
けど、車の中だから気づく人はいないだろう。
私はこのまま、死ぬのかな。
と、
思ったところで自分の名前を呼んでいる声が聞こえた。
「な…ひな!」
目を開けると、見慣れた隣のお方が私の顔を覗いていた。
あ、夢だったらしい…
目が覚めたら体が熱くて…汗びっちょりだった。
「変な夢見た?」
『また手持たれた…何で?やだ…無理』
「怖かったな。もっと早く気づけば良かったね、ごめん」
その言葉が、胸に刺さった…
私は、抱きついて再び泣いてしまった。
今日は何だかこの人の前で泣きすぎている。
優しすぎる…
優しすぎて、心が痛かった。