隣の住人。
両親が亡くなった日から親戚の家で暮らしていた謙人。
最初の頃は、記憶にないという。
両親と暮らしていた家に帰りたいと思った事くらいは覚えている。
最初の頃は何ともなかったけど…少しずつ、手をあげられていた記憶があると言う。
最初は、
悪いことしたからと思ったけど…
段々とエスカレートして、酷い時はご飯も作ってくれないし…靴とか洋服とかも買ってもらった記憶が謙人にはない。
「親戚のおばさんは自分の子しか見ていないし、俺に対して愛情何てあるわけがないよね」
そうは言うけど…話を聞く限り、怒りしかなかった。
天国にいる両親は悲しかっただろうな。
それに、
両親の事を考えると泣きそうになった。
謙人は荒れる一方で、喧嘩も日常茶飯事。
それに、家に帰らなくなるのも日除茶飯事。
けど、反抗していた謙人も必死だったんだろうなと思う。
今だから、笑って話しているけど…
当時は苦しかっただろうし、寂しかったんだろうな。