隣の住人。
13-
最近、一緒にバイトに行くときは大体謙人が家の鍵を閉めてくれている。
私は、
先にエレベーターに行ってボタンを押す。
自然とそうなっていたから、何の不自然さもなかったけど…
今日、いつものように1人で帰宅。
鍵を開けようと思ったら、カバンの中に入ってない事態。
『やば』
そんなに深いバックではなく、財布と小物が入るくらいの小さなバック。
バックをひっくり返して探す程ではない。
なかなか、ヤバいことをしってしまった。
謙人の家の鍵がないって事は、自分の家の鍵もないから…何の鍵もない。
入れない…
って事は、謙人が帰ってくるまで入れないとか?
『最悪、どうしよ』
流石に、スマホは持っていたから謙人にLINEしたものの仕事中だから返事がくるはずがない。
1時間くらい、
アパート前で立ち尽くしていたけど…
これを明日の5時までしているわけには行かず、私は謙人のバイト先に向かった。