隣の住人。
何か、ドキドキする…
行くのは、海くんと付き合ってる時以来。
よく謙人は私のバイト先まで送ってくれるけど、私は送ったことが一度もない。
バイト先が変わってたらどうしよう。
私の記憶が間違っていたらどうしよう…
何て、
最悪な事を考えながら、歩くしかなかった。
家から徒歩で20分程度。
私の記憶が正しければ、ここで働いているはず。
遠目から見たけど、なかなか見つからない。
むしろ、私…不審者並みに怪しいやつ。
それに、バイト先まで押しかけて怖い彼女だと思われたらどうしよう。
「いらっしゃい、何名様ですか。1人?」
と、
謙人と同い年くらいの男の子が声をかけてきた。
『あの、謙人いますか?』
「謙人さん、いますよ〜」
若いお兄さんは、謙人のいる方を指差した。
私は、迷いながらも謙人のいる方へと歩いた。