隣の住人。





このまま鍵をもらわないで、店を後にしようかと思ったけど…お店に入った時に声をかけてくれたお兄さんが謙人に声をかけてくれた。





「謙人さん、お客さんです」

「ひな、どうした?」

『鍵、忘れちゃったから貸して』

「鍵?ちょっと待ってて」





そう言って、謙人は鍵を取りに私の前からいなくなった。

謙人と話していた女の子は一瞬、私を睨むようにしていなくなった。




女って、怖い…

彼女が来た途端、この態度。




私はこの場にいるのが、苦痛でお店の外に出て謙人を待った。




『ありがとう〜』

「気をつけて帰れよ」

『うん』



いつも通りの謙人のはずなのに、そう思えず目を合わせられなかった。




< 244 / 370 >

この作品をシェア

pagetop