隣の住人。
『謙人は、何でそんな優しいの?』
と、
言うと「いつもじゃん」と笑わせてくれる。
その優しさに惚れている女性はたくさんいると思うし、気づいていないのは謙人だけ。
不器用なところもある…
そんな可愛い一面も好きな人にとってはたまらない。
『謙人が好きな子はたくさんいると思うよ』
「俺が好きじゃないし」
『でも、ひなみたいに好きじゃない人を好きになる事もあるじゃん』
「確かにな」
『謙人は、好きな人いる?』
「いるよ」
『ひなの知ってる人?』
「知ってる」
『誰?』
私は謙人に失礼だと思いながらも、ずっと顔を合わせないで話していた。
けど、『誰?』と聞いた途端…
無理やり、壁側に移動してきた謙人。
1人入れるスペース何てないし、むしろ私の右手が謙人に踏まれて死んでる。
『痛い』