隣の住人。
もちろん、電子レンジの方が早かったけど…
食べられると思うと動きもスムーズだった。
いつもなら歯を磨いて、顔を洗って髪をセットするだけでも…謙人に呆れられるくらい時間を要するのに、今日は早すぎて驚かれた。
「いつも、それでお願い出来ますか?」
『たらこスパゲティがあれば』
たらこスパゲティの存在は偉大だった。
私が寝起きでご飯を食べてるのも奇跡に近い。
『美味しすぎる〜』
「ちょっとちょうだい」
『ねぇ、もう一回言って』
「ちょっとちょうだい」
『ちょっとだからね、絶対!』
いつもちょっとと言いながら2、3口食べて半分以上を奪ってくる謙人。
今日は、大好きなたらこさんを守るため目力を使ってオーラを出してみた。
ら…
謙人に大爆笑された。
私からしたら、全然笑い事じゃないです…
でも、少し気を抜いて目を離した瞬間食べられた。
そう、謙人も私に負けないくらいたらこさんが好きなんです。
『ねぇ、私の分!』
「胃から出そうか?」
『キモい』
「後はひなにあげる」
そう言って、ドヤ顔をするけど…私のために買ってきてくれたんだよね?と確認したい。