隣の住人。
ペアリングに対して、特別な感情はなかったけど…車が走り始めて少し経った頃。
謙人の指輪が、
たまたま目に入ってきて急に実感が湧いた。
謙人と初めてのお揃いが指輪何て考え深い。
『謙人見て〜』
運転している謙人の視界に入るようにわざと顔の前に手を持って行った。
すると「何見るの?」と冷静な謙人。
さっきの私と一緒で実感ないやつ?
それか、彼女と付き合うたびにペアリングをしていたタイプで慣れてしまった感じ?
『指輪』
「あ、指輪か。かわいい〜」
と、
棒読み感満載の謙人だった。
ただ、ムカついたのと同時に顔の前でチラつかせていた私の手を握ってくれ、ムカつきも一瞬で消え去った。