隣の住人。
夜、
久しぶりにじいじと一緒にご飯を食べたけど…やっぱり食欲がないみたいで、あまり口にしないで部屋に戻ってしまった。
私が生まれた時から、
当たり前のように一緒にいるおじいちゃん。
東京にいる時ではなく、地元にいる時に聞けて良かったけど…心の整理はつかなかった。
謙人のせいで、
リズムが崩れているから色々最悪だった。
じいじの事、謙人の事、考えすぎて頭がパンクしそうだった。
『電話して』
と、
LINEするとバイト終わりの5時前に電話がきた。
それも、テレビ電話…
顔が見られて良かったけど、違和感だった。
画面越しの謙人は何だか遠く感じた。
「寝た?」
『寝れるわけない』
「今日のご飯何食う?」
『味噌ラーメン』
「お、いいねぇ!ひなは?」
『ママがたくさん作ってくれた』
「持って帰って来て、それかひなが作って」
『期待しない方がいいよ』
「やば、リアルすぎる」
『なんでそう言うの?』
謙人が家に帰るまでの道のり、家に帰ってお風呂に入って、布団に入って、寝るまでテレビ電話をしていた。
私も、
謙人と一緒に寝てしまい…
起きても、まだテレビ電話が繋がっていた。
嬉しいのは山々だけど…スマホが熱すぎて触れなかった。
『謙人〜おはよう』
「おはよう、スマホが壊れそうだから切るよ」
『ばいばい〜』
謙人の声を聞いて、少し元気が出たものの…完全ではなかった。
家族がいなくなるのを想像しただけで…こんな悲しいのに、謙人は小さい時に一気に両親2人を亡くして…考えただけで胸が苦しくなった。
さっきまで、
電話をしてたけど…再び電話をかけた。
それも、ちゃんとテレビ電話。