隣の住人。




夜、


久しぶりにじいじと一緒にご飯を食べたけど…やっぱり食欲がないみたいで、あまり口にしないで部屋に戻ってしまった。




私が生まれた時から、

当たり前のように一緒にいるおじいちゃん。



東京にいる時ではなく、地元にいる時に聞けて良かったけど…心の整理はつかなかった。





謙人のせいで、

リズムが崩れているから色々最悪だった。




じいじの事、謙人の事、考えすぎて頭がパンクしそうだった。





『電話して』

と、

LINEするとバイト終わりの5時前に電話がきた。



それも、テレビ電話…

顔が見られて良かったけど、違和感だった。



画面越しの謙人は何だか遠く感じた。





「寝た?」

『寝れるわけない』

「今日のご飯何食う?」

『味噌ラーメン』

「お、いいねぇ!ひなは?」

『ママがたくさん作ってくれた』

「持って帰って来て、それかひなが作って」

『期待しない方がいいよ』

「やば、リアルすぎる」

『なんでそう言うの?』




謙人が家に帰るまでの道のり、家に帰ってお風呂に入って、布団に入って、寝るまでテレビ電話をしていた。



私も、

謙人と一緒に寝てしまい…


起きても、まだテレビ電話が繋がっていた。



嬉しいのは山々だけど…スマホが熱すぎて触れなかった。




『謙人〜おはよう』

「おはよう、スマホが壊れそうだから切るよ」

『ばいばい〜』






謙人の声を聞いて、少し元気が出たものの…完全ではなかった。

家族がいなくなるのを想像しただけで…こんな悲しいのに、謙人は小さい時に一気に両親2人を亡くして…考えただけで胸が苦しくなった。



さっきまで、

電話をしてたけど…再び電話をかけた。




それも、ちゃんとテレビ電話。





< 282 / 370 >

この作品をシェア

pagetop