隣の住人。




離れてと言ったものの、離れたくはない。

だって、好きなんだもん。大好きだから…



時間はかかってしまったものの、謙人とイチャイチャをしながら準備をしていた。



やっと、

出かけられたのは10時過ぎ。



正直、出掛けられた事が奇跡だと思う。



相変わらず、

外に一歩でも出ると手を繋いでくれる謙人。



繋いでくれなかったら、怒るけど…

嬉しくて、謙人に笑いかけると「何笑ってるの?」と冷たい目で見られた。




『何でもない。今からどこに行くの?』




そういえば、まだ行き先を聞かされてない。



もしかして、

サプライズでも考えてるのかな。


今日は、私の誕生日でも、謙人の誕生日でもなく普通の休日。




「今日母ちゃん達の命日なの、一緒にお墓参りしてくれる?」

『もちろん、するよ』




何も知らなかった…

謙人の気持ちも知らずに、聞いてしまった。




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