隣の住人。
10分くらいで来てくれたかな。
そんな感覚。
きっと、謙人もいてくれたから早く感じたんだと思う。
『丸四角病院までお願いします。何分くらいですか?』
「15分くらいかな」
『できたら早めにお願いします』
じいちゃんのところに来たものの、会うのは少し怖い。
本当にいなくなっちゃいそうで…
怖かったけど、会わない選択肢もなくて複雑な心境だった。
病院に到着して、面会受付に「左田です」と伝えると案内された場所は集中治療室だった。
治療室に行くと入り口の前にはママが座っていた。
ママに会った瞬間、我慢できず泣き崩れてしまった。
「おかえり、ひな。こんな連絡でごめんね…」
と、
抱きしめてくれたママ。
もう涙が止まらない。