隣の住人。





お葬式場で色々な手続きを済ませ、今週の休日に合わせてやることになった。



私はその日まで学校とバイトはお休み。

謙人も来れるように調整してくれるとのことだった。




謙人とじいちゃんは最後に少し会っただけで関わりはないけど…来てくれる気持ちだけでも嬉しかった。







毎日、朝5時すぎに電話がきて1時間程度話して寝落ちするというリズムを3日間過ごした。



声聞くたびに会いたくなるけど…我慢。

会える日は来るからとポジティブに考えて頑張った。







「久しぶりに感じるな」

『会いたかった』


と、改札口で軽いハグ。





キスしたい勢いだったけど、人が数名いたから我慢して手を繋いだ。






ずっとくっついていたい。






キスして欲しいし、抱きしめて欲しいし、一緒に寝たいし、むしろ謙人を感じたいくらいだけど…




それは実家だから、やめとこう。

一応、そこはちゃんと考えられる脳みそはあるみたい…







「お母さんと一緒にいてあげた?」

『うん、一緒にいてたくさんお話ししたよ〜』

「えらいじゃん」

『もっと褒めて』

「家帰ったら思う存分、褒めてやるから」

『楽しみにしてる』

「楽しみにされても困るけどな」







謙人と一緒にいるとあっという間に実家に到着した。

1人で歩いている時は倍くらいに感じるのに…






実家に到着し、改めてママとパパと謙人が顔を合わせて挨拶した。




大好きな人がママとパパに挨拶してるって不思議な感じ。

少し緊張気味の謙人が新鮮だった。





「落ち着いたらまた挨拶に来させてもらいます」

「幸せにしてやってください」

「頑張ります」






もう十分幸せだよ。

この幸せがずっと続きますように…



私も謙人のことを幸せにできるよう頑張ろうと思う。







< 355 / 370 >

この作品をシェア

pagetop