隣の住人。
『名前呼ばないで』
「おい、そこの女でいいか?」
『やだ』
結局、
アパートまで肩を貸して帰った。
それに、あいつのカバンから鍵を取って、部屋にまで入れてあげた。
何て優しいんだろう…と、自分でも思う。
私がいなかったら、今頃道端で寝ていたことだろう。
感謝して欲しい。
それにしても、あいつの誕生日に失恋か。
何だか、嫌な気しかしない…
夜、仕事終わりの優香と話しているうちに色々な話をしている間に段々と実感が湧いてきて涙が出てきた。
『もう当分いいわ〜』
「幸せだったのにね」
『ぁぁぁ〜無理』
「こういう日くらいは泣いていいんだよ」
と、
言ってずっと電話に付き合ってくれた。
泣くもんか!何て、思ってたけど…泣きはじめたら止まらなかった。
優香の言葉も胸に刺さって…更に泣いた。
もう私を泣かさないでくれ。