ロート・ブルーメ~赤花~
会合
紅夜が予約したレストランはいわゆる高級レストランだった。
ドレスコードが必要になるような……。
はじめは緊張してしまったけれど、注文する前にコース料理が運ばれてきた。
紅夜を見習いつつ食事をしているうちに料理の美味しさもあって緊張がほぐれていく。
「紅夜はこういう店によく来るの?」
会話をする余裕も出てきた。
「いや、あまり来ないな」
「え? じゃあどうして?」
慣れているし、服装も雰囲気も似合っているから、いつもというわけじゃ無いだろうけどそれなりに来ているんだと思った。
だからどうして今日ここを予約までして選んだのか聞くと。
「……どうしてだと思う?」
優しげな微笑みと挑発的な眼差しが返ってくる。
「紅夜はいつもそうやってあたしに答えさせようとするけれど、分からないことは答えられないよ」
少しムッとしてそう返す。
いつもいつも思い通りにいくと思わないで欲しい。
そんな、ささやかな反発。
あたしの反発を紅夜は逆にからかってくるだろうか?
そう思って身構えたけれど、返ってきたのは思いがけず素直な言葉だった。
「……カッコつけてみたかったんだよ」
「え?」
ドレスコードが必要になるような……。
はじめは緊張してしまったけれど、注文する前にコース料理が運ばれてきた。
紅夜を見習いつつ食事をしているうちに料理の美味しさもあって緊張がほぐれていく。
「紅夜はこういう店によく来るの?」
会話をする余裕も出てきた。
「いや、あまり来ないな」
「え? じゃあどうして?」
慣れているし、服装も雰囲気も似合っているから、いつもというわけじゃ無いだろうけどそれなりに来ているんだと思った。
だからどうして今日ここを予約までして選んだのか聞くと。
「……どうしてだと思う?」
優しげな微笑みと挑発的な眼差しが返ってくる。
「紅夜はいつもそうやってあたしに答えさせようとするけれど、分からないことは答えられないよ」
少しムッとしてそう返す。
いつもいつも思い通りにいくと思わないで欲しい。
そんな、ささやかな反発。
あたしの反発を紅夜は逆にからかってくるだろうか?
そう思って身構えたけれど、返ってきたのは思いがけず素直な言葉だった。
「……カッコつけてみたかったんだよ」
「え?」