ロート・ブルーメ~赤花~
でもその不安を払拭するような言葉が紅夜の口から放たれた。
「別にモテなくても良いだろ? 俺がいるんだから」
「あ……」
「それに、俺もお前にしか興味ないから」
モテるかどうかなんて関係ない。
そう言われる。
「そう、だね……」
そう呟いてあたしは食事を再開させた。
会合の前に、思いがけず嬉しい時間をもらえたことに感謝した……。
……。
…………。
「そう言えば、お前家には連絡してんの?」
「え?」
食事を終えてレストランから出ると、そう聞かれた。
自然と指を絡め繋がれた手を引かれながら、あたしは答える。
「あ、今日は朝のうちに叔母さんのところに泊まりに行くって言っておいたから――あっ」
言い終えた途端余計なことを口にしたと気づいた。
紅夜の顔がとても楽し気に笑みを作る。
「そうか……“朝のうち”に言ってあったのか」
「あ、その、えっと……」
動揺しすぎて目が泳ぐ。
今日は朝家を出る前から、紅夜に会いに来て夜は帰らないと決めていたってことになる。
実際その通りなんだけれど、それを紅夜に知られるのは死ぬほど恥ずかしい。
「別にモテなくても良いだろ? 俺がいるんだから」
「あ……」
「それに、俺もお前にしか興味ないから」
モテるかどうかなんて関係ない。
そう言われる。
「そう、だね……」
そう呟いてあたしは食事を再開させた。
会合の前に、思いがけず嬉しい時間をもらえたことに感謝した……。
……。
…………。
「そう言えば、お前家には連絡してんの?」
「え?」
食事を終えてレストランから出ると、そう聞かれた。
自然と指を絡め繋がれた手を引かれながら、あたしは答える。
「あ、今日は朝のうちに叔母さんのところに泊まりに行くって言っておいたから――あっ」
言い終えた途端余計なことを口にしたと気づいた。
紅夜の顔がとても楽し気に笑みを作る。
「そうか……“朝のうち”に言ってあったのか」
「あ、その、えっと……」
動揺しすぎて目が泳ぐ。
今日は朝家を出る前から、紅夜に会いに来て夜は帰らないと決めていたってことになる。
実際その通りなんだけれど、それを紅夜に知られるのは死ぬほど恥ずかしい。