ロート・ブルーメ～赤花～
「ねえ紅夜。紅夜と叔母さんって、どんな関係？」

　聞くと、振り向いた紅夜は静かな瞳であたしを探るように見た。


「知り合い、ではあるんだよね？」

　何かを見透かそうとしている眼差しに少し怯みながらも聞くと、フッと彼の口元がゆるんだ。


「ま、そうだな。……でも詳しいことは明日美玲に聞けばいい。一度連れて来いって言われたからな」

　そう言うと、彼はまた前を向いて歩き出した。


「俺がちゃんと説明したいところだけど……ほら、もう着いた」

　紅夜が説明してくれないのは会合場所が近かったからみたいだ。


　連れて来られたのは街の中央より少し先に行ったところ。

　そこのひと際大きい建物にあたし達は足を踏み入れる。


　自動ドアを抜けて進むと、両脇に並んでいたスーツ姿の男性達が一斉に頭を下げた。

「っひ！」

　思わずビクリと体を震わせると、つないでいた手が外され代わりに肩を抱かれる。

「怖いか？」

「うっ……まあ、ちょっとは」


　ちょっと強がってみた。

　流石に今のはちょっとどころじゃなく怖かったから……。


「大丈夫、手を出させないための顔見せなんだ。初めにお前のこと話したらあとはヒマだろうけど座って待っていてくれればいい」

「ん、分かった」

　そうして紅夜に連れられた先は広くて綺麗な会議室。

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